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表面利回りだけで判断しないこと

2021.04.09 | コラム

おかげさまです。

不動産コンサルタント蔭山達也です。


オーナーのための不動産チャンネルを
ご覧いただき、ありがとうございます。


前回に引き続き、投資不動産を購入される際
の大切なポイントをお伝えします。


投資の場合、対象となる不動産に対して、ど
れだけの収益を上げられるか、いわゆる利回
りを見て、判断をすることは多いと思います
が、年額賃料÷/物件価格の表面利回りだけを
見て判断するのは早計です。


大切なのは実質利回りです。


ここに同じエリアで同じ築年数の異なる2つの
マンションを例に出します。


分かりやすくするため、オーナーチェンジのフ
ァミリータイプ区分マンションとしています。


A 表面利回り9%  
価格2000万円、年間賃料180万円


B 表面利回り8.5% 
価格2100万円、年間賃料180万円


これだけ見ると、同じエリア、同じ賃料、同じ
築年数であれば、100万円の差があることから
表面利回りではAのほうが良いですよね。


Aの詳細を見てみます。


収入は年間賃料180万円です。


支出は、賃貸管理費5%で9.9万円 
・マンション管理費と修繕積立金で30万円、
固定資産税8万円、損害保険1万円、合計48.9万
円です。


実質収入 131.1万円です。


一方、Bの詳細を見てみます


収入は年間賃料180万円とAと変わりません。


支出は、賃貸管理費5%で9.9万円 
・マンション管理費と修繕積立金で18万円、
固定資産税8万円、損害保険1万円、合計36.9万
円です。


実質収入 143.1万円です。


とは言いましても、Aのほうが物件価格は100
万円低かったです。


実質利回りにするとどうでしょうか。


A  実質収入 131.1万円 ÷ 2000万円 ⇒6.55%

B  実質収入 143.1万円 ÷ 2100万円 ⇒6.81%


実質収入でみると、価格で100万円高いBのほうが
良い利回り結果になるのです。


違いは何か・・・AはBの1.7倍近い管理費と積立
金が、この結果につながっています。


そのため、投資物件で区分マンションを検討する際
には、この点の注意が必要です。


1棟マンションやアパートと異なり、区分マンション
の場合、唯一自分自身ではコントロール出来ない支
出が、この管理費と積立金だからです。


しかし、この管理費と積立金は、マンション全体の
根幹に係わる要素でもあります。
必ずしも安いから良いというわけではありません。


将来の大規模修繕や全体の資産価値にも直結する
ため、バランスが取れている金額設定かどうかを
見ていくことも同時に必要です。


マンションやアパート一棟は、強制的な積立金は
ないので、一見するとキャッシュフロー上は区分
マンションより効率が良いとも感じますが、将来
的には大規模修繕、或いは日常的には共用部の修
繕など、自らの負担で実施をする範囲が大きいで
す。


区分マンションの場合、それに代わるのが管理費
と積立金ですが、この金額設定があまりに高いマ
ンションであれば、表面利回りがよくても、慎重
に検討するほうが良いかもしれません。


いかがでしょうか。


区分マンションが分かりやすかったので例に出し
ましたが、1棟マンションでも、エレベーターが
ある4階建とエレベーターがない4階建、或いは、
水道直結か、受水槽等での給水かでも、支出は変
わり、実質利回りも変わります。


エレベーターの有無など、賃料にも直結する項目
のため、一概に良い悪いというわけではなく、お
伝えしたかったのは、表面利回りは、あくまでも
表面であり、一つの判断材料にはなりますが、支
出がどれだけあるのか、という点も合わせて見て
から判断をしてください。


以上となります。


最後までご視聴いただき、ありがとうございました。


ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いします。


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からお願いいたします。


おかげさまです。蔭山達也でした。