「イワンのばか」から学ぶマネジメント
今月のNOVEL Academyの課題は、ご存知、トルストイ名作のイワンのばかです。 今月のNOVEL Academyの課題は、ご存知、トルストイ名作のイワンのばかです。 地道に自分の手と足で働くことしか知らないイワンが、兄弟からいろいろと迫害されつつも、純粋に自分の人生を歩み続けた結果、悪魔との戦いに勝つというストーリー。 物語の中でイワンは、王妃と結婚します。イワンは、王なのにのら仕事を始めます。王妃は、その生きざまに触れてさんざん考えた結果、自ら着物を脱いでのら仕事を始めます。その時の台詞がこれです。 「どうして、夫に逆らうことが出来ましょうか? 糸は針についていかねばならないのだから」 この一文について多くの方が気になるとお話されていました。(笑)たとえば、人(妻・スタッフ)が糸のようについて来てくれるにはどのようにすればよいのか?多くの男性諸氏・経営者・リーダーは興味深いと思います。 でも、ちょっと考え方を変えてみます。糸は針に着いて行ったのです。言い換えますと針だからついて行ったのです。 さんざん考えたのは当然です。時代背景からしても、王妃が、のら仕事をするというのは、すごいことなのです。王妃はイワンの中に、それはすごい言動一致を見たのです。イワンの言動一致は、王妃が、のら仕事を始めるくらい感動的だったのです。周りを見渡しても、一番近くにいる人が、一番厳しい目で見ている人です。王妃は、一番、近い所に居るからこそ、イワンのすごさがわかったのです。 では、ここでいう針とは、どんな生き方でしょうか?針は後ろへは下がりません。 前しか行かない。まっすぐに一番に、先頭を切って先に進んでいく姿を連想させてくれます。イワンの生きざまそのものです。この生きざまが、王妃が着物を脱いでのら仕事を始めた理由です。考えてみてください。自分は、はたして針でしょうか?針のような生きざまかどうか?でも自分が針になる目的が 「自分が針のような生きざまを通して相手を糸になってほしい」というのも違うなと感じます。相手に糸になってもらいたいのではなく、針と糸、二人の調和に注目します。 どちらかが、優位に立つためでなく、調和を目的にしたからこそ、物語は良い流れへと変わっていきます。ここで、もっとも大切なのは、針と糸は一体であるということです。 同じ方向を向いて進む力こそ何物にも代えがたい、この大切さを伝えています。 これは、会社のマネジメントでも同じです。どうすれば、部下がついてきてくれるのか? 私たちはうまくいかないときに環境の話をします。それでは問題は迷宮入りです。過去と他人は変えられない。まずは、自ら明確な目標を持ち、行動を起こす。そのことの尊さをイワンは教えてくれます。 1年前の「イワンのばか」のコラムです。1年前に感じていたこととは?>>>