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オフィスビル テナントを甘くみてはいけない

2021.01.15 | コラム

おかげさまです。

不動産コンサルタント蔭山達也です。


オーナーのための不動産チャンネルをご覧いただき、ありがとうございます。


今回はオフィスビルを満室にしておく重要性についてお話します。


オーナーによっては、賃料減額して満室にするより、数ヶ月や1年単位で時間がかかっても、高い賃料でテナントが入るのを待つというタイプの方もいらっしゃいます。

とくに、近い将来、売却を想定している場合は、現状賃料は利回りに直結するため、売却価格に影響があることから、それも選択肢の一つです。

しかし、長期で保有をするのであれば、常に満室にしておくほうが、ビル全体の経営にとってはプラスになることが多いです。


それはなぜか・・・


東京の場合、2年~3年周期で、更新があります。


その際、現状維持での更新を除くと、2つのカテゴリーに別れます。


1つは、テナントから賃料減額の打診が出やすいビル

1つは、オーナーから賃料UPを打診しやすいビル


これらの違いは何か・・・・それは常に満室を保っているビルかどうか、です。


テナントの立場からすると、賃料は少しでも低いほうが良いのですが、経験上、満室のビルは、テナントからの減額打診はしにくいものです。100%稼働しているビルだと、オーナーからすると、1テナントが退去になっても困らないだろうというテナント心理になるからです。

そうなると、賃料減額への期待値は低くなり、仮に打診したとしても、ダメもとで、難しいだろうという思いのほうが大きくなるわけです。

交渉になったとしても、オーナーは強気な立ち位置で交渉が可能です。


一方、空きが多いビルの場合はどうでしょうか。

テナントからすると、自分たちに出ていかれては、オーナーは困るのではないか、という強気な思いになります。


もちろん、テナントから減額交渉があったとしても、それを受けて減額する根拠がなければ、実際には賃料維持で更新されることのほうが多いのですが、それでも、テナントが本当に解約してくる可能性は秘めています。

実際に管理しているビルでこんな経験をしました。


そのビルは満室で、どのテナントの賃料も相場くらいでした。あるテナントの更新時期が近くなってきて、更新の有無の確認をした際、こんなことを言われました。


①賃料を数パーセント減額

②解約予告を4ヶ月前から1ヶ月前にする


それであれば更新してやる、くらいの勢いだったので、よほど何かしらの具体的根拠があるのだろうと話を聞いてみたのですが・・・口ごもるだけで、具体的な答えは一切ありませんでした。


賃料は周辺相場よりやや低かったので、そのあたり、周辺事例を出しながら伝えたのですが・・・とりあえず打診して、条件をのんでもらえばラッキー、という感じでした。

そのため、オーナーには次のように進言しました。


・仮に今のテナントが更新しないで退去となっても、入れ替りは、最低でも今の賃料は維持、もしくはUP出来る可能性のほうが高いため、満室はすぐに確保できる、そのため、安易な妥協はされなくて強気で良いと思う、ということを伝えました。


オーナーの承諾を得て、テナントには、次のように言いました。


交渉には応じないため、更新しないのであれば、解約で結構ですが、いかがしますか?

テナントも、ビルが常に満室であることはよく分かっていたのでしょう、結局、すぐに今と同じ条件で更新することを選択されました。


しかし、これが、空室の多いビルであれば、テナントも粘ってきていたでしょう。

オーナーにしても、さらに空室が増えることを回避するため、テナントからの交渉に応じることだってあります。


そういったこともあるため、賃貸経営というのは、収入以外の面でも、満室にしておくメリットは大きいのです。

要は、常に隙をつくらないことが重要なのです。

そして、部屋単体だけで見るのではなく、ビル全体を常に見て判断するという感覚が大切になってきます。

いかがでしょうか。


満室にしておくことは、ビル全体の視点ではプラスしかありません。


新規の申し込みがあった場合など、テナント属性に問題がなければ、出来る限り審査は前向き通して入居してもらい、満室にしておくべきです。


以上となりますが、最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いします。

おかげさまです。蔭山達也でした。