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入居者順番待ちのマンションの秘密

2020.12.04 | コラム

おかげさまです。

不動産コンサルタント蔭山達也です。

オーナーのための不動産チャンネルをご覧いただき、ありがとうございます。


今回は、これまで様々な物件を売買、管理していた観点から、どんな賃貸マンションが空室を生みにくいのかをお伝えします。


マンション1ルームは供給過多です。そのなかで、「退去後のリフォームによる支出・収入を生まない空室期間・年数経過ごとの賃料下落」これらはオーナーにとって悩ましいところだと思います。


これまで数多くの物件をPM管理してきたなかで、「定着率がよく・空室期間が極端に短く・賃料下落しにくい」

入居者が順番待ちをしているようなオーナーにとって理想的なマンションがありました。

これから収益不動産を購入しようとする人には、大変参考になる事例だと思います。


ぜひ、最後までご覧ください。


さきほど申したように、1ルームは供給過多です。そのなかで、選ばれて、且つ、長くお住まいいただくマンションには、どうしても差別化が必要です。

リノベーションやコンバージョンもその一例ですが、これは部屋単位のビジョンになってきがちです。


当社でこれまで管理してきたなかで、一番差別化されていたマンション・・・


それは防音マンションです。


馴染みがない人のほうが多いかもしれませんね。


防音マンションとは、楽器演奏が出来る構造のマンションで、プロ、セミプロ、音大生など、音楽関係者が入居されることを前提として作られています。

遮音性能を示す指標でDr値というものがあり、このDr値のテストも行い、どんな楽器までなら演奏可能かを想定して作った、いわば音楽家専用のマンションです。


この防音マンション、3つの大きなメリットがあります。


1、通常マンションより高い賃料のまま、長く維持ができる


マンションとしての作りは、通常の賃貸マンションとは比較できなく、その分、建築費も高くなります。それでは収益不動産としては利回り感が良くないではないのか・・・そう思うかもしれませんね。


しかし、通常の賃貸マンションとは競合しないため、賃料が高いまま維持できるのです。


管理していた防音マンションを例に出します。


通常マンション  ・・・新築   1K 賃料85,000円

(周辺エリア)     築10年 1K 賃料 75,000円~80,000円

防音マンション  ・・・新築   1K 賃料 95,000円  

            築10年   1K 賃料 93,000円~95,000円


ご覧の通り、通常マンションより1部屋あたり10,000円~12,000円高く貸せます。


ここでのポイントは、10年経過すると、そのエリアでは、通常マンションが7%~10%新築時より低くなっているのですが、防音マンションは新築時とほぼ変わらず維持していました。15年、20年と経過していくと、この差はもっと広がります。


2、入居者の定着率の良さ


もう一つ特化すべき点は、入れ替わりが極端に少ないのです。


通常、単身用は2年~4年周期で入れ替わりが多いですが、防音マンションの場合、5年以上が普通です。


それはなぜか・・・比較対象となる防音マンションが少ないからです。


入居されている方は、何等かの音楽をされています。


スタジオを借りることを考えれば、自分の部屋で好きなときに練習できる環境は、1万円家賃が高くてもそれだけで十分に魅力があり、一度住むと、通常のマンションには引っ越しません。


これまで退去理由で最も多かったのは、音大生の入居者が、卒業と同時に就職で東京を離れるという致し方ないものばかりで、それ以外の理由での退去はほとんどなく、定着率は圧倒的でした。


そして、付け加えるなら、退去となっても、次の入居者が2週間後には決まっているという点です。


都内ですが、リーシング会社で、防音マンションに特化した会社が複数あります。

そことパートナーを組み、解約予告があった時点で、優先的にそのリーシング会社に伝えておけば、リーシングをしてくれます。


防音マンションに特化しているくらいですから、それだけ防音マンションの需要があることの証明でもあります。


3、入居者属性が良い


プロ、セミプロ、音大生などの入居者ですが、とくに多いのが音大生や音楽専門学校の学生でした。


音大生の場合、学生ということで、契約者を親御さんにお願いすることが多いです。


やや個人的な意見になりますが、入居審査の段階でよく感じたのは、音大に通わせている親御さんのご勤務先や役職というのは、銀行が喜びそうな属性の方ばかりなんです。


子どものころから音楽をさせているご家庭なので、もちろん経済的には余裕があるというのは想像できるのですが、実際に入居審査をしてみると、それがよく分かります。


それが何を意味するのか・・・


当然、賃料の滞納リスクの軽減もありますが、そういった方のご子息やご令嬢は、室内を綺麗に使われる傾向もありました。


そういった点で、契約者及び入居者の属性が良いというのは、マンション経営にとっては、収入面と建物ハード面での安心材料につながります。


いかがでしょうか。


今回は、マンションの差別化として、防音マンションのメリットをお伝えしました。


PM会社の視点で申すと、これから収益マンションを購入検討している人がいたら、防音マンションを選択肢とするのも強くお勧めします。


融資メインでの購入は利回りで合わない可能性はありますが、そうでない方は、これほど安定する収益不動産はありませんので、検討する価値はあります。


しかし、そのなかでも、注意点はあります。


その注意点は何か・・・当社の管理物件でも、平均すると5割~6割は音大生でした。


やはり、音大や音楽専門学校が、その物件の沿線上にあるかどうかです。


電車で20分圏内、且つ、乗換一回くらいまでの範囲内に音大や音楽専門学校があれば、防音マンションとして成り立ちます。


防音マンションは賃貸経営でのメリットが多いとはいえ、楽器の種類によってはクリアにすべきリスクもあります。これは管理方法で回避できる部分なのですが、この点を、次回にお伝えさせていただきます。


収益マンションの購入を検討する方で防音マンションに少しでも関心をお持ちいただけるようなら、その際はお気軽にご連絡ください。


以上となりますが、最後までご視聴いただき、ありがとうございました。


ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いします。

おかげさまです。蔭山達也でした。