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雨漏り発生?賃料減額の計算式

2020.09.30 | コラム

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収益不動産専門家の蔭山達也です。


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前回は雨漏りについてお伝えしましたが、実際に雨漏りをして、借主から賃料減額を要求された場合の対応はどうしたらよいのか・・・今回は、当社のケースで具体的な事例としてお伝えします。


なお、これは2020年4月に改正された民法ともリンクしてくる内容ですので、最後までご覧ください。


民法改正では、賃貸物件の一部が使用できない場合、それが借主の責任でない事由であれば、使用できない部分の割合に応じた賃料減額について言及しています。


4月以降の賃貸借契約書の条文でも記載している内容です。


従来であればどうだったでしょうか・・・


修理の目処が立たなく、修繕が遅くなるという状況のなかで、借主側からのクレームがあった場合に貸主が減額をするという状況が多かったと思われます。


民法改正の変更点は、借主からの減額請求がなくても、当然に賃料減額をするという内容として言及されているのがポイントです。


しかし、この改正においては、法律で減額率は確定されておらず、国土交通省でも具体的な金額明示は今のところありません。


そのため、根拠を保ちながら、貸主と借主が協議をして個別に決める必要があります。


さて、それでは、ここから本題です。


雨漏りに関しては使用出来なかった面積に応じて、減額率を決定することが貸主も借主も納得できる計算方法となります。


天井が濡れているだけなどの状況は除き、常に水がしたたり、バケツや養生をしている状況で、例えば一つの部屋が通常使用できないときを想定しています。


当社で実際にあったのは、次のような漏水でした。


テナントは整体でした。


オープンして間もなかったときの出来事だったため、私もかなり冷や汗をかきながら対応したのを覚えています。


4室の施術室と1室のバックヤードの作りの室内でしたが、バックヤード部分の天井からの雨漏りで、その部屋は全く使用できない状況でした。


すぐには雨漏りが完治しない箇所であったため、貸主と借主と協議をして、解決方法として、使用できない面積及び日数に応じた賃料減額をすることで合意を得ました。


そのときの賃貸契約の条件と使用できない面積は次のとおりです。


【計算方法は次のとおりです】


〇最初に契約面積1㎡あたりの賃料を算出します


賃料30万円で50㎡ですから、1㎡あたり6,000円となります


〇次に、1㎡あたり6,000円に、使用できない面積=減額面積を乗じて使用できない面積分の賃料を算出します


10㎡ですから、6,000円×10㎡=60,000円となります


〇最後に60,000円に対して、使用できない期間の日割計算をします


60,000円×15日/30日=30,000円


減額賃料は30,000円となります。これは、使用できない部屋がバックヤードだったため、面積での考え方で納得されたのですが、施術室だと営業保証の観点も考慮することになります。


また、貸主側からすると免責日数を適用するかどうかなど、個別のケースで変わるところはあると思います。


補足ですが、賃貸物件の一部滅失による賃料の減額については、設備が故障した場合も同様に適用されます。


エアコンや給湯器が故障してしまい、利用出来なくなった際などでも同様です。


繰り返しますが、民法改正前は、一部滅失など使用できない場合はその割合に応じて、賃料の減額を請求することができるという内容でした。


しかし、改正後においては、賃料は、その割合に応じて減額されると言い切る内容に変わっています。


貸主にとっては緊張感のある文言になりますが、そういった点でも、予防を踏まえた修繕計画を立てることに加えて、いざ賃料減額となった際の減額割合の考え方については知っておいたほうが良いため、ぜひ参考にしてください。


本日は以上となります。最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

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おかげさまです。蔭山達也でした。