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気分は刑事? 時間外営業する店舗に深夜の張り込み!

2021.02.25 | コラム

おかげさまです。

不動産コンサルタント蔭山達也です。

オーナーのための不動産チャンネルをご覧いただき、ありがとうございます。


今回は、管理におけるエピソードです。


不動産管理をしていると、ありとあらゆる場面に出くわします。


設備的な問題というのは比較的解決がしやすく、例えば、エアコン不具合やお湯が出ないなど、これらは設備自体の修理ですから、状況をヒアリングして、業者の手配と入居者のスケジュール調整をすれば大丈夫です。


逆に、解決に工夫がいるのは、音や匂いなど、目には見えないものです。


今回のエピソードは、そのどちらでもなく、店舗テナントの営業時間の問題にまつわるものです。


7~8年ほど前の、ある飲食店舗の管理でのお話です。


その物件は、住宅街のなかにあり、周辺のイタリアンやカフェなどは、夜9時にはどのお店も閉店している閑静な地域でした。


管理する物件も、代々、営業時間を夜9時までと制限をしていまして、テナント側も、自分たちはカフェで運営するため、その内容で大丈夫ということで契約をしました。


しかし、数ヶ月過ぎたころに状況が変わってきました。


そのお店が深夜まで営業していてかなりうるさいから、何とかしてほしいと、近隣から苦情が入ってきたのです。


私は、事実を確かめるため、すぐにテナント店主に確認したところ、カフェがメインだと営業的に売り上げが伸びない、そのため、お酒も提供しているが営業時間は守っているため契約違反ではないと開き直った回答でした。


しかし、近隣からは深夜にうるさいとの苦情です。

そこで様子を見るため、まずは現地近くで張り込んでみました。


その日、張り込んで分かったのは、夜9時どころか、深夜12時を過ぎても明かりがついてわいわい聞こえるのです。カフェではなく、バーのようなものです。

たまたまその日だけ、という言い逃れをされる可能性も考え、別の日も張り込んでみたら、まったく同じでした。

もちろん、お客の出入りもありました。


その事実を写真にとって、店主に話したら、何と、営業ではなく、深夜までお店の片付けをしていた、という回答です。

お客の出入りのことを伝えると、それは友人で、片付けを手伝ってもらっていたと・・・


すごく苦しい言い訳ですよね。


一方、貸主は、一定期間に改善されないなら契約解除だと怒っていて、その旨を伝えても、営業時間は守っているの一点張りです。


さて、どうしたか・・・


真冬の季節でしたから、私もさすがに深夜まで張り込みを連続するのもつらく、色々考えた結果、現場=店内に踏み込むことにしました。

現行犯の場面を抑える、というと大袈裟かもしれませんが、深夜になっても、お客が着席して飲食をしている現場を確認することです。


刑事になった気分でした。ただ、9時10時であれば、ラストオーダー後で、帰り支度のところだったと言われかねないので、ギリギリまで引っ張って、深夜0時を過ぎた段階で店内に踏み込んだら、案の定、着席してお酒を楽しんでいるお客が数組いました。


言い訳出来ない状況を抑えて、店主もあたふたしていたました。


テナントには、改善するのか、或いは退去するのか、どちらかの選択をするように持っていったのですが、最終的には自ら退去を選ばれました。

売り上げのために必死だった事情もよく分かるのですが、やはり、ルールはルールです。


何かを見て見ぬふりをすると、際限がなくなるのです。


いかがでしょうか。


今回は管理におけるエピソードでしたが、店舗でもオフィスでも、入居してみないと分からないテナントというのも存在します。性善説での賃貸経営ではありますが、ときには悪意がなくとも、テナントも必死さゆえに、ルールを逸脱することもあります。


そんなとき、何か事が発生したら、基準となるのはもちろん契約書ですが、言い逃れされる要素がある場合、大変かもしれませんが、現場で事実を抑える、ということも大切です。


以上となります。


最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いします。

おかげさまです。蔭山達也でした。