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購入時の価格交渉ポイント 買主編

2021.06.25 | コラム

おかげさまです。

不動産コンサルタント蔭山達也です。


オーナーのための不動産チャンネルを
ご覧いただき、ありがとうございます。


前回、貸主側の立ち位置として、
入居申し込み時に条件交渉があった
際のポイントをお届けしました。


今回は、売買における購入時の
交渉ポイントについてお届けします。


賃貸の場合だと、
毎月賃料を支払ったり、
敷金を預けるなど、
貸主と借主は継続的関係が前提で
あるの対して、

売買の場合は、
その取引のみの断続的関係になります。


そのため、
賃貸であれば、
敷金、礼金、賃料、更新料、契約期間など、
様々な項目が交渉の材料になりますが、

売買の交渉は、
金額についてがほとんどを占めます。


とくに中古不動産であれば、
売買設定価格は売主の希望金額に
なるため、同じマンション内でも、
部屋によって数百万円単位で
異なることは珍しくありません。


私自身も何度か購入している過程では、
価格交渉をしてきました。

結果的には、
ほぼ希望に近い形で成立してきましたが、
交渉のポイントは3つあります。

  • 売主の背景を知る


さきほど中古不動産の場合、
売主の希望や事情が売買金額に反映される
と言いましたが、
たまに、あまりにも相場から乖離している
物件もあります。


これには、もちろん理由があります。


1つは、高く買ってくれる人が
現れたらラッキー、くらいの気持ちで、
無理して売らないというスタンスで
出しているケース。


1つは、
抵当権、いわゆるお金を借りて
その不動産を買っていて、
その残債務を消すのに、
その金額でないと抹消できないと
いうケース。


いずれも、価格交渉は難しいケースです。


そのため、あまりにも市場の相場から
乖離している物件は、
不動産会社にそれとなく理由を探って
もらい、さきほどの理由であれば
どう転んでも交渉は難しいため、
最初から避けておくべきです。


しかし、相場よりやや高いくらいの
価格であった場合、可能性があります。

といいますのが、
売主は、少しでも高く売りたいと
いう思いは共通です。

さきほどのような極端に乖離した
設定は、不動産市場では見透かされる
ことも知っています。


そのため、そういった物件の売主は、
買主から交渉があることを前提にして
価格設定していることが多いのです。


そして、売却の理由を探ることです。

買い替えで先行して買っている場合、
よほど資金に余裕がある方を除いては、
心理的には早く売却をしたいものです。


そういった背景を持つ売主の物件で
あれば、交渉できるチャンスが増えます。

  • 微妙な価格をつく


売主が価格を設定する際、
価格交渉が入ることを想定している
ことが多いと言いました。


例えば、

5880万円の設定であれば、
5800万円までの交渉が入る
可能性を考えて、
その価格範囲であれば、承諾する
心づもりをしているケースもあります。


その場合、買主からするといくらまでの
交渉をするのが良いでしょうか。


物件を気に入ってどうしても買いたい、
ということであれば、交渉はせずに
満額でも良いですが、交渉次第で
購入したいということもあります。


その際には、売主への心象も気にして
交渉する必要があります。


5880万円の物件に対して、
5800万円前後が適正な相場価格で、
その価格であれば買いたいとします。


しかし、一方では、
もっと安くなる可能性を追求して、
5300万円で交渉したらどうでしょうか。
約600万円の値引き交渉です。


これはNGです。

5億の物件であれば、
600万でも許容範囲ですが、
あまりにも価格乖離した交渉は、
売主の心象を害する可能性があります。

そうなると、
そもそも交渉を受付けてくれない
こともあり、後になって5800万円で
買うと提示しても、その人には売りたくない
ということになるからです。


最後は人と人ですから、
売主の心象を害さないというのは
大切なポイントです。


さきほどの例であれば、
5700万円くらいまでが許容範囲です。


このあたりは、
さきほどの売主の背景とも関連するのですが、
ここで伝えたいのは、背景を知らないまま
極端な交渉をしてしまうと、
交渉のテーブルにすら乗らないこともある、
ということです。

  • 売主からの返しへの準備を想定しておく


自分自身が、
最終的にはいくらだったら購入したいか、
という線引きをもっておくことです。


さきほどの例のままお話すると、
5890万に対して、5700万で交渉しても、
売主は了承しないケースは考えられます。


買主からの提示に対する返しです。


ケース1 5890万円でないと承諾しない

ケース2 5800万円であれば承諾

ケース3 5750万円であれば承諾


交渉のテーブルに乗れば、
何かしらの返しはきます。

その際に、
買主は自分自身の答えを
用意しておくことが大切です。


要は、自分がその不動産に対して
どこまでの金額であれば買いたいのか
という準備です。


その際、ピンポイントの価格というより、
価格帯として幅をもって捉えておくほうが
判断しやすいです。

例えば、
5750万~5800万円までの価格帯での
返しであれば購入、それ以上は見送る、
などです。


いかがでしょうか。


どんな交渉であっても、
まずはエージェントとなる不動産会社に
事前に相談をしておくことは大切です。


それは、
売主の背景や相場のこともありますが、
同じ物件を検討している競合の存在も
価格交渉には影響があるからです。

そのあたりは、不動産会社を頼って
アドバイスを求めることをお勧めします。


以上となります。


最後までご視聴いただき、
ありがとうございました。


ぜひ、チャンネル登録も
よろしくお願いします。


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おかげさまです。蔭山達也でした。