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ペットの無断飼育発覚!解決へのポイント3つ

2020.10.30 | コラム

おかげさまです。

不動産コンサルタント蔭山達也です。


オーナーのための不動産チャンネルをご覧いただき、ありがとうございます。


さて、今日はペットのお話です。


私も猫2匹と同居していますが、ペット可の物件は探すのは大変でした。


しかも2匹となると、よりハードルは上がります。


お部屋を貸す貸主からすると、入居者が黙って飼育して困っている方は多いのではないでしょうか?


管理物件でも以前にこんなことがありました。


借主が動画配信をしていたのを当社のスタッフがたまたま目にしたのです。


そのとき、室内が映し出されていましたが、画面に向かってしゃべる借主の後ろを、元気よく走り回る子犬が1匹・・・


もちろん、ペット不可の物件ですから啞然としたのを覚えています。オーナーや管理会社が動画を見ることを想定していなかったんですね。


今回は、黙ってペット飼育されている場合における、3つのポイントについて解説します。



  1. 契約解除は可能か
  2. 黙認はしない
  3. 条件付きでの承諾する場合の注意点


1 契約解除は可能か


一般的な賃貸借契約書では、犬猫のペット飼育は禁止事項の一つです。


ただ、即時に契約解除できるかといえば、必ずしもそうとは言えません。


賃貸借契約の解除については、信頼関係破壊理論が前提とされています。


どういうことかというと、契約違反があったとしても、それが賃貸借の当事者間の信頼関係を破壊するに足りる程度のものであることが必要とされます。


ペット禁止にもかかわらず飼育するということは、それが契約違反であることは確かです。


しかし、それがイコール信頼関係を破壊するものであるかどうかは、別途に判断が求められます。


そのため、ペット飼育可能なマンションに住み替えてもらうなどを求めたのにも関わらず借主がこれに応じなかったという事実の確認、排泄物の匂いや鳴き声など、他の入居者や近隣住民へ迷惑をかけている事実の確認、これらにより、信頼関係を破壊するものとして、賃貸借契約の解除は可能と考えられます。


2 黙認はしない


当社の管理物件の事例では、まず入居者に真相を確認しました。


ポイントは、飼育の事実を入居者が認めることです。


貸主は、状況を知った段階でペット飼育をやめるように指摘するのが通常ですが、やはり生き物のことですから、難しい面もあります。


しかし、黙認することとは話が別です。


違反は把握しているけど、異議を発しないということは、その事実について「黙認」しているとみなされてしまいます。


そうなると、契約解除の要件にもかかわってきます。


貸主と入居者間での信頼関係は破壊されていないとされ、さきほどの契約解除が認められなくなってしまう可能性もでてきます。


また、入居中の問題もさることながら、退去後の原状回復についても通常の利用時よりも損耗が多く原状回復費用が多くかかります。


その際に、ペット飼育を黙認していたことが費用の請求可能金額に影響することも考えられますので、契約違反が発覚した段階で即座に対応を起こすことが重要です。


今回の事例では、最初、入居者はとぼけていたのですが、最終的には認められて、謝罪され、飼育の許可をお願いしてきました。


3 条件付き合意


事例の部屋は、ワンフロア1住居の建物の最上階だったため、隣と上の部屋がなく、また、それまでにも近隣からクレームはなかった点で、その子犬1代限りとして、合意書を取り交わしました。


このときの合意書のポイントとしては2点あります。


1点目は近隣からのクレームが重なった場合、ペット飼育は速やかにやめてもらう、もしくは退去に応じてもらうこと、


2点目は敷金の追加です。敷金については、さきほど伝えたように、原状回復費用が多くかかるため、リスクヘッジの一つとなります。


ただし、気を付ける点は、他の入居者にも承諾を得ておくことがベストですね。他の入居者からすると契約違反を特例で認めていることになりますし、何等かの動物アレルギーをもっている方もいるかもしれません。


いかがでしょうか?


ペットを黙って飼育するケースは増えると思います。その場合、どういった対応をしていくのかで貸主のリスクも変わってきます。


もし、そういったケースでお困りのオーナーがおられましたら、お気軽にご相談ください。


以上となりますが、最後までご視聴いただき、ありがとうございました。


ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いします。

おかげさまです。蔭山達也でした。