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ビルのランニングコストは適正でしょうか?

2020.06.19 | コラム

前回、建物管理について書きましたが、今回は、具体的にランニングコストを下げる方法です。

様々な手法があり、すべての方法を書くとかなりの長文になるため・・・

今回はよく知られている代表的な方法です。

基本的なことではありますが、即効性があり、実践されていない方は見積りだけでもとってはいかがでしょうか?

対象はエレベーターで次の2つの方法があります。
①エレベーター保守点検の契約形態の見直し
②エレベーター会社の変更

エレベーター保守点検は、次のような契約形態があります。

A ・・・ フルメンテナンス契約
エレベーターの運転機能を安全・良好に維持する責任をメンテナンス業者が負う契約です。


点検はもちろん、一部を除き、故障が起きても一切の修理費用が定額月額費の中からまかなわれます。


B・・・ POG契約


POGは、「パーツ」「オイル」「グリス」の頭文字を取ったものです。


POG契約は、基本的な点検だけを委託する契約で、点検の結果、補修が必要となった場合は別途費用が発生します。


なお、保守点検の各装置・部品の点検に関してはフルメンテナンスもPOGも変わりはありません。

それでは、フルメンテナンスとPOGでは、どちらの月額費用が高いのか・・・
それはフルメンテナンス契約となります。

故障が起きても定額の月額費用からまかなわれるため、エレベーター会社としては、その故障想定分については月額に含みます。(保険料のようなイメージですね)


そのため、何事もなければPOG契約のほうが月額費用は低くなりますが、大きな修理費用が発生した場合のリスクは常に伴います。


これは、どちらが必ず良いというよりも、現在所有されている建物のエレベーターの経過年数で選択することをお勧めします。

1年~10年内のエレベーターであれば、極端な修理代金がかかる故障リスクというのはかなり低いため、月額費用を抑えたPOGが良いと思います。


また、あまりに年数が経過しているエレベーターは、フルメンテナンス契約自体を受けてくれないメーカーもあります。(経過年数に比例して故障リスクが高くなるためです)


例えば、15年以上経過したエレベーターでフルメンテナンスでの契約中であれば、POG契約に変更して、数年してから、またフルメンテナンス契約に戻すということは、受け付けてくれないことがほとんどです。


そのため、それまで支払ったフルメンテナンスの保険料的要素を活かすのであれば、フルメンテナンスを続けたほうが良いという選択になります。

②エレベーター会社の変更


エレベーター保守点検費は、例えば、延床面積100坪ほどのビルで設置台数が1基であれば、月額3万円~5万円が一般的です。 エレベーターメンテナンス会社を替えるという方法は、保守点検をするエレベーター会社によっても費用が変わってくるからです。


大手メーカー、独立系メーカーなど含めて数十社以上あります。


大手でも独立系であっても、保守点検の内容自体は変わりません。


例えば、A社商品のエレベーターでも、別のB社が毎月のメンテナンスを行う事は可能で、一般的にも浸透しています。


社名までは言えませんが、独立系メーカーのほうが月額費用は低くなる傾向があります。


ただし、エレベーターの経過年数によっては、部品供給がストップしていることもあって、切り替えが出来ないこともあります。

「当社管理のビル・マンション事例」


A社からB社へ保守契約会社を変更


その結果・・・
月額5万円 → 月額2.5万円(2.5万円削減)
              *年間30万円の削減効果

10年保有で300万円の削減効果になります。


削減した費用は、将来のエレベーターリニューアル工事のために、充当しておくのも良いと思います。


エレベーターリニューアルについても複数の方法がありますが、長くなりましたので、また別の機会にお伝えします。

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おかげ様です。かげやまでした。