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連帯保証人の極度額は?

2020.09.18 | コラム

おかげさまです。蔭山達也です。

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さて、今回は、オーナーが知っているようで知らない賃貸借契約の内容について、お話をさせていただきます。


昨今は、民法改正、

最近オーナーと話をしていてよく質問されるのが、民法の改正に伴う連帯保証人のルールの見直しについてです。


2020年4月1日からの民法改正に伴い、賃貸借契約により生ずる債務の保証に関するルールが変わりましたが、オーナーが把握されるべきポイントとしては3つあります。


・まず一つめが連帯保証人の極度額の定めです。


民法改正がされる前は、「賃貸借契約から生じる一切の債務について」連帯保証するという内容の賃貸借契約が主流で、連帯保証人は契約者が家賃を滞納し続ける限り、際限なくいくらでも連帯保証しなければならないという状態でした。


しかし、これではあまりにも連帯保証人にかかる負担が大きすぎるということで、民法の改正に伴い、極度額の定めがなければ連帯保証の契約自体が無効になってしまいます。


極度額とは、連帯保証人が保証しなければならない債務の限度額です。


賃貸借契約の連帯保証人でいうと、「立て替えなければならない家賃等の限度額」という意味になります。


・二つめが極度額の範囲です。


極度額は実際のところ、いくらに設定すればよいのか? というオーナーからの質問が多くあります。


現状では、連帯保証人の極度額に法的な制限というのは規定されていません。


ただ、極度額は連帯保証人と交わす賃貸借契約書や確約書に金額を明記しなければならないため、あまりに高額だと連帯保証人になることを躊躇される可能性があります。


あまりにも不相当な極度額を設定すると連帯保証人は見つからないでしょう。


とはいえ、あまりに低い金額を設定していると、実際に家賃滞納が発生した場合や、債務者である借主の原因で損害を被った場合、賠償請求額が契約した極度額より大きいと極度額は債権者(貸主)の保証としての意味をなくしてしまいます。


考え方として、或いは最近の取引のなかでの実例も交えてお伝えするなら、賃料10ヵ月~24ヵ月分が極度額としての目安金額です。


その根拠は、たとえば、借主の滞納が続き、強制的に立ち退きを執行するには法的な手続きを踏まなければなりません。


これにかかる日数を計算すると、おおむね6カ月~10カ月程度はかかることになります。


この間の家賃収入が途切れることを考えると、10ヵ月分以上を目安として、連帯保証人の極度額に設定したほうがよいと考えられるからです。


・三つめは、極度額は確定した金額を契約書に記載することです。


たとえば「家賃〇カ月分相当額を極度額とする」などのような記載方法は、契約無効となる危険性が高くなります。


なぜなら「家賃」は変動します。貸主と借主の合意があれば契約締結後でも変更が可能なので、「家賃〇カ月分」は「極度額が確定していない」と見なされてしまう可能性が高くなるからです。


そのため、たとえば、家賃が20万円で極度額12カ月分であれば、「240万円を極度額とする」のように、具体的な金額を明記してください。


最後に補足としてですが、今後は、連帯保証人を複数立てるというのも現実的な方法として選択肢の一つとなってきます。


極度額の設定があることから、個人の連帯保証人が1人だけでは保証として不足する可能性があり、そのため、連帯保証人を複数立てる方法は有効です。


極度額は1人ひとりの連帯保証人ごとに契約されるため、たとえば150万円の極度額設定で連帯保証人が2人いる場合は、双方に150万円ずつが請求でき、合計300万円が保証されることになります。


本日は以上となりますが、民法改正に伴い、その他においても賃貸借契約のルールが変わった事項は多くありますので、次の機会にお話をさせていただきます。


最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

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おかげさまです。蔭山でした。