最新の不動産市況
おかげさまです。
不動産コンサルタント蔭山達也です。
オーナーのための不動産チャンネルをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、首都圏における最新の不動産市況についてお届けします。
2020年秋以降、売買において新型コロナ影響は少ないのが実情です。
戸建・マンションともに成約率は高く、例えば、東日本不動産流通機構のデータでは、2021年1月における成約件数は、前年の同月比で、マンションは約30%増、戸建は約37%増となっており、大幅に増えています。
(東日本不動産流通機構 レポート 添付)
1㎡あたりの成約単価も、中古マンションなどは前年同月比2.3%上昇で、9ヶ月連続で前年同月を上回っています。神奈川、千葉、埼玉も同様に上昇しており、都心部に限らず、一都三県においての、実需の売買取引は堅調に推移しており、価格は上がっている、という見方ができます。
その理由として考えられるのは、コロナ影響で、売り物件自体が少ないことがあります。2021年1月における新規物件の登録数は前年同月比マイナス22%です。
供給数は少ないのに、需要数は一定以上あるため、「価格が上がっている」という結果になっています。
一方で、事業用の売買動向はどうでしょうか。
コロナ影響での各企業のテレワーク実施により、オフィスは縮小移転が増えております。また、緊急事態宣言に伴う飲食店等への影響もあり、ビル保有のリスクは、従来に比べて高くなっています。そのことで、ビルの売り物件自体は増えていますが、買い手は同じようにリスクを考えますので、コロナ影響前と比較して明らかに買い手候補は減少しています。今はビルが売れにくい、というのが実情です。
しかし、電通やリクルート本社ビル売却に代表されるように、Sクラスのビル売却も目立っていますが、大手の貸しビル会社や外資系ファンドが、購入候補者としてネームアップされています。Sクラスのビルに関しては、売却に出ることがめずらしく、買い時と捉える購入者はいます。このあたりは、コロナ終息後にオフィス市況は戻ると予想されているのかもしれませんね。
一方で、1棟マンションなどのレジデンスは好調で、買い手プレイヤーは多く存在します。オフィスや店舗に比べると、住宅の賃貸市場におけるコロナ影響はかなり限定的であったことも要因です。
そのため、レジデンスについては、所有者が手放さない=売り物件が少ない=価格が上がっているという図式が成立しているのが現状です。
都心部で、築20年内くらいのRC物件であれば、NET利回り3.5%前後の価格帯で取引されることもめずらしくありません。
最後に賃貸市場ですが、ワンルームなどの単身者向けは、賃貸シーズンである1月~2月は例年の4割くらいの引き合いです。これは、コロナ影響により、企業の転勤などが激減していることが大きいです。しかし、ファミリー物件については、さほど影響はなく、当社でも管理しているファミリー物件は例年通り順調に成約に至っています。
いかがでしょうか。
新型コロナの不動産への影響といっても、バブル崩壊やリーマンショックのときのように不動産全体ということではなく、不動産のカテゴリーによって異なります。
どちらかというと、実需不動産については価格も上がっていますが、これは、住宅ローンの金利も変わらず低いままということも影響しているのかもしれません。
家賃を支払うなら同じ金額でのローンを組んで所有者となる、という生活防衛の要因もあると思います。
以上となります。
最後までご視聴いただき、ありがとうございました。
ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いします。
おかげさまです。蔭山達也でした。