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「事故物件」となった不動産の「告知義務」に時効はあるのか?

2020.10.23 | コラム

おかげさまです。

不動産コンサルタント蔭山達也です。


オーナーのための不動産チャンネルをご覧いただき、ありがとうございます。


このチャンネルでは、不動産オーナーに役立つ情報として、これまでの経験や問題解決策など、実際の現場に即した内容に基づきお届けしています。


さて、みなさん、事故物件って聞いたことありますか?


一般的には、物件内での事件や自殺などがあった心理的瑕疵のある物件を言います。


今回はそういった事故物件においての3つのポイントをお話します。


一つ目は、事故物件の定義


二つ目は、告知義務期間


三つ目は、自然死は告知義務に該当するのか


1、事故物件の定義は?


そもそも何をもって、事故物件と呼ばれるのでしょうか。その定義は何だと思いますか?


定義自体は明確には定まっていないのが実情です。


基本的には、お住まいの入居者が亡くなる場所となった物件を指します。


しかし、亡くなる原因はさまざまです。


『殺人』『自殺』『孤独死(自然死や病死)』の3種類です。


ただし、この3種類を同等に『事故物件』と扱うべきか否かも基準は曖昧(あいまい)です。


例えば、凄惨な殺人事件に巻き込まれて亡くなったとなれば、間違いなく事故物件扱いになりますが、祖父母が急に具合が悪くなって孤独死してしまい、すぐに発見された場合は事故物件とは言えません。


人がお亡くなりになった部屋が必ずしも事故物件というわけではないのです。


事故物件は、その物件内での自殺や事件はもちろん該当します。


孤独死の場合、腐敗が進むなど、その事実があったことを知っていれば入居しなかったと判断されるケースが該当してきます。


それら入居者のリスク回避を含めて、告知義務が定められています。


2、いつまで告知義務があるのか


結論から申し上げますと、心理的瑕疵には時効はありません。


入居者が入れ替わって二人目なら告知しなくてよい?という話も聞いたことがあるかもしれませんね。


しかし、残念ながらそれは違います。


そういった判例も出たことはありますが、ケースバイケースであり、特に自殺や事件などの場合は、何人目なら大丈夫ということではありません。


あくまで、その事実を知って、入居者の意思決定が左右されると判断すれば、やはり告知は必要となります。


3、自然死は告知義務に該当するのか


自然死や病死については、告知義務がないことのほうが多いです。


とはいっても、自然死から発見されず長い期間の経過後の腐敗した状態での発見などについては別です。


判決では自然死など、事件性が無い亡くなり方であれば告知義務がないと考えているように感じます。


逆に借主も自然死であれば気にしないケースもあります。


ちなみに、私も以前に、お住まいの方が室内で病死された物件を個人で購入したことがありますが、そのときの不動産会社は、その事実を正直に伝えてくれました。


私としては事件性のないことが分かったため、逆に安心をしたくらいですから、もし迷われているなら、念のため事実として伝えても影響はないと思います。


いかがでしょうか?


事故物件の告知は、線引きが非常に曖昧です。


また、賃貸か、売買かによっても、解釈が変わってくるところはあります。


例えば、心理的瑕疵であれば、売買取引で次のようなことを告知したことがあります。


築10年の中古マンションの取引で、10年前の新築時の建設現場において、作業員が落下して死亡した事故が発生した事実が分かりました。


室内とは関係なく、新築時の現場での事故ですので、一見すると告知する必要はないように感じるかもしれません。


賃貸であれば、このケースは告知を要さないのですが、売買では、その事実を知っていれば購入しなかった・・・という意思決定の左右に該当する事項になる可能性はあります。


そのため、知りうる限りの内容を告知しました。

自殺や事件は稀ですが、孤独死などのケースは、今後増えてきます。


そんなとき、どこまで告知すればよいのかなど、迷われた際にはお気軽にお問い合わせください。


本日は、以上となります。


最後までご視聴いただき、ありがとうございました。


ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いします。

おかげさまです。蔭山達也でした。