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中古マンション 選んではいけないマンション

2020.11.06 | コラム

おかげさまです。

不動産コンサルタント蔭山達也です。


オーナーのための不動産チャンネルをご覧いただき、ありがとうございます。


先日、中古マンションの売買取引をして感じたのは、やはり都内の不動産市場においては、コロナ影響は受けていないことです。


内覧数も多く、同時に具体的な検討者も多数いらっしゃいました。


では、どんなマンションでも売りに出せば引き合いが多いのかと言えば、残念ながらそうではありません。


やはり引き合いの多い少ないは、マンションによって異なり、そのポイントはいくつかあります。


逆に言えば、いつかマンションを売却することも視野に入れて購入する場合には、そのポイントが大切になってきます。


以前に、都内で探していたお客様からこういった相談があったんです。


築年数や面積等、同一条件での周辺相場は4000万円のエリアで、価格3000万円の物件があるから検討しても良いか・・・という相談内容です。


たしかに、同エリアで比較すると約1000万円も安いのです。


しかし、販売履歴を見ると、1年以上売れていなかったのです。


価格も当初は相場に合わせて4000万円近くで出し、その後少しずつ下げて3000万円になっている・・・事故物件ではありません。


さて、みなさんはどういった内容だと思いますか?


今回は、そんな、いざ売るときに、売れにくいマンションを購入しないための大切な1つのポイントをお伝えします。


立地や築年数などの表面的なことは、一般的によく知られていることですから、ここでは触れません。


駅から5分圏内が理想的で、年数は新しいほどニーズはありますが、今回は、そういった一見しただけでは見えない部分をお伝えしていきます。


マンションと戸建を比較すると、異なる特徴はいくつかありますよね。


そのなかでも目立つものは、ローン以外で、マンションは毎月決まった金額を継続的に支払うことです。


それが管理費と修繕積立金です。


管理費と言っても何に使われているかまでは興味ない人も多いかもしれませんね。


管理費は、共用部の日常管理や設備の維持等にかかる費用で、例えば、エレベーター点検や清掃、管理員の業務、光熱費に使用されています。


積立金は、共用部分の計画的な大規模修繕の費用を準備するために積み立てていく費用です。


さきほどの相談内容の物件価格のカラクリは、まさしく管理費と積立金にありました。


たしかに、築年数や面積など同一条件で比較すると、周辺相場より1000万円低いのですが、1年以上経過して売れていない理由は、この管理費と積立金が極端に高かったのです。


たとえば、修繕積立金は、マンション全体の面積にもよりますが、1㎡あたり200円前後が平均的です。


70㎡であれば14,000円です。もちろんマンションの規模や築年数などによって異なりますが、相談のあったマンションは、70㎡で40,000円でした。


3倍近い金額です。管理費も35,000円で、毎月の維持費は合計75,000円でした。


それでも物件価格が1000万円安いほうが良いという方もいるかもしれませんね。


そこで比較してみます。


◇物件A 4000万円のマンション 


30年ローン金利1%、管理費積立金の合計30,000円と仮定します。

ローン返済額 128,655円 管理費積立金30,000円 月額158,655円

総支払額 ローン46,316,090円 + 管理費積立金10,800,000円 =57,116,090円


◇物件B 3000万円のマンション


30年ローン金利1%、管理費積立金の合計75,000円 

ローン返済額 96,941円 管理費積立金75,000円 月額171,941円

総支払額 ローン34,737,068円 + 管理費積立金27,000,000円 =61,737,068円


全額ローン及び管理積立金が変動しないという前提での比較ですが、


3000万円の物件のほうが、4000万円の物件より、30年の総支払額では約460万円多く支払うことになるのです。


物件A 4000万円           物件B 3000万円

(総支払額 57,116,090円)  <   (総支払額61,737,068円)

             約460万円 物件Bは支払いが多くなる


ここで伝えたいバランスとは、価格に対してのものです。


たとえば、面積150㎡の億ションやタワーマンションなどは、管理費積立金を合わせて10万円以上することはよくあります。


それは面積やマンション共用設備などに連動するのと、同時に億ションを購入する属性の方は、維持費を継続して支払えることを前提としています。


そのため、高いから悪いというわけではありません。


しかし、相談のあったマンションは、よくあるタイプの平均的なマンションです。


こういったタイプのマンションを購入するのは、やはり一般的な所得の方が中心ですから、


住宅ローンを組む前提で検討されます。


その場合、単純なローン比較だけではなく、さきほどのような計算をするため最初は飛びつくけど、最終的には購入を躊躇されます。


いつの時代でも、その点は当然見てきますので、売却には足枷になります。


いかがでしょうか。


なお、総戸数の少ないマンションのほうが、管理費積立金は平均値より高くなる傾向があります。一戸数あたりの負担は大きくなるからです。


新築マンションなどは低く設定されていますが、これはこれで、デベロッパー側の販売目的の意図が関係した設定になっているケースもあるので注意は必要です。


繰り返しますが、販売価格と専有面積に対して、維持費のバランスがとれていないマンションは、いざ売却となった際には苦戦する可能性が高いことを覚えておいてください。


以上となりますが、最後までご視聴いただき、ありがとうございました。


ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いします。

おかげさまです。蔭山達也でした。